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コラム

成年後見制度を利用する必要はないのでしょうか?

2013年04月06日(土) 司法書士 H.I

現状なんとかなっていれば、成年後見制度を利用する必要はないのでしょうか?

「親族は遠方にいるけど、近所に住む知人に銀行のカードも渡して、財産の管理をしてくれているから大丈夫。」とおっしゃっている入院中の方がいました。
成年後見制度は単に財産を管理するためだけのものなので、自分は大丈夫と思われているかもしれません。
現状の問題がないように思えるからといって本当に大丈夫なのでしょうか。

成年後見制度を利用しておらず、単に口頭で頼まれて財産の管理をしているだけであれば、適正な管理が行われていないかもしれません。
また何より、ご本人の判断能力が不十分となったとき知人は財産の管理する権限がなくなってしまうかもしれません。さらに万一のことがあった場合、適正な管理と思って財産の管理をしていたとしても、相続人に責任を追及されかねません。

このようなトラブルを防ぐためにも、ご本人の状況に応じて将来のことも考え、身内や親しい友人であっても、きちんと家庭裁判所で選ばれた後見人をつけることの必要性も考えておかねばならないのではないでしょうか。